病気とは言えない胃けいれん・胃下垂・胃アトニー胃酸過多症の症状と治療法

胃けいれん・胃下垂

胃に差し込むような激痛がおこる胃けいれん、胃の下部が下がっているのが胃下垂、胃から十二指腸に送る作用が低下するのが胃アトニー、胃液の分泌が多すぎることでおきる胃酸過多症、胃液の中の酸が関係する低酸症・無酸症の症状と治療法です。

胃に差し込むような激痛がおこる胃けいれん

胃に差し込むような激痛がおこる胃けいれん

 

受診科

内科・消化器内科

 

胃けいれんとは病名ではなく、突発的におきる心窩部痛を表現したことばです。

 

原因

原因には、急性胃炎、急性胃・十二指腸潰瘍あるいは急性胆嚢炎などが考えられています。

 

症状

胃に差し込むような激痛がおこるほか、吐き気、嘔吐、胸やけなども現れます。

 

治療

原因となっている病気の治療をします。

 

胃の下部が下がっている胃下垂

 

胃の上部は、正常な位置にあるのに、胃の下部が普通よりも下がっているのが胃下垂です。

 

原因

痩せた女性に多い現象で、正確には病気とは言えません。

 

症状

腹痛、腹が張る、胸やけ、げっぷから、全身の倦怠感や疲労感まであります。

 

治療

胃の下垂に対する治療は必要ではなく、症状に応じて消化剤などを使用します。

 

胃から十二指腸に送る作用が低下する胃アトニー

 

胃の筋肉の緊張が低下して働きが悪くなり、食べたものを胃から十二指腸に送る作用が低下するのが胃アトニーです。

 

原因

胃アトニーは、種々の手術、長期臥床、代謝性疾患、腹膜炎などが原因でおこり、胃拡張の状態になります。

 

症状

腹が張った感じや胃の痛み、げっぷあるいは食欲不振、吐き気、嘔吐などがあります。

 

治療

原因となる病気あるいは状態の改善を図ります。

 

胃液の分泌が多すぎる胃酸過多症

 

胃液の分泌が多すぎることでおこりますが、病気というより、ある種の症状としてとらえられます。

 

原因

過食や睡眠不足、過労などに胃に負担を与えることでおこり、慢性胃炎、食道穿孔ヘルニア、胃・十二指腸潰瘍など、胃腸の病気の原因となります。

 

症状

胸やけ、げっぷ、胃もたれ、胃液の逆流など、酸の多い症状がみられます。

 

治療

刺激物の摂取や過労などといった、胃の負担となる食品を避けるようにします。
治まらない場合は、制酸剤などが用いられます。

 

胃液の中の酸が関係する低酸症・無酸症

 

胃液の中の酸が正常より少ない状態が低酸症で、酸が全くない状態が無酸症です。

 

原因

原因として多いのは、慢性胃炎や胃がん、あるいは貧血など、胃の粘膜が萎縮しておこる酸の分泌低下で、酸が少ないと消化作用に支障をきたします。

 

症状

食欲不振、胃もたれ、軽い下痢などの症状がみられます。

 

治療

消化の良い食事を心がけ、コーヒーなどの刺激物は避けるします。
酸を補って消化を助ける働きをする塩酸リモナーデなどの薬物療法をします。


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