副甲状腺機能亢進症と副甲状腺機能低下症の症状と治療法

副甲状腺機能不全

副甲状腺ホルモンが過剰に分泌される副甲状腺機能亢進症、副甲状腺ホルモンの分泌が減少する副甲状腺機能低下症の症状と治療法です。

副甲状腺ホルモンが過剰に分泌される副甲状腺機能亢進症

副甲状腺ホルモンが過剰に分泌される副甲状腺機能亢進症

 

受診科

内分泌代謝科・内科・甲状腺外科・外科

 

原因

副甲状腺機能亢進症は、副甲状腺に腺腫や癌ができると、副甲状腺の活動が活発になって、副甲状腺ホルモンが過剰に分泌されて、骨からカルシウムが溶けたり、腎臓でカルシウムの再吸収を促進して血液中のカルシウムの濃度が高くなる病気です。

 

重症になると、昏睡状態から、急性腎不全をおこして生命に関わることがあります。

 

症状

軽度の場合は、血液中のカルシウム濃度が高いだけで、その他の異常はありません。
腫瘍が大きくなって、カルシウム濃度が高くなって、非尿回数も増えて血液中の水分が減り、喉が渇いて多量の水を飲むことになります。

 

また、筋力が低下したり、食欲不振、吐き気、便秘なども現れることがありますが、悪化すると、集中力の低下、意識障害などもおきてきます。

 

カルシウムの排出が多すぎて、尿路に結石ができることもあり、骨からもカルシウムが出ることになり、骨粗しょう症になることもあります。

 

治療

無症状の場合は特に治療を必要としませんが、症状がある場合は症状に応じた手術が必要です。

 

副甲状腺ホルモンの分泌が減少する副甲状腺機能低下症

原因

副甲状腺機能低下症は副甲状腺に萎縮がおきて副甲状腺ホルモンの分泌が減少するものです。
副甲状腺ホルモンが分泌そのものが少ない場合と、副甲状腺ホルモンの分泌は正常でもホルモンの影響を受ける腎臓などの器官に異常がある場合があります。

 

副甲状腺ホルモンの分泌が減少する原因は、甲状腺の手術によるもの以外は、あまりはっきりわかっていませんが、自己免疫疾患のひとつで、病気としては極めて稀なものです。

 

症状

血液中のカルシウムが減少するもので、手足のこわばりや痙攣が起きるテタニー発作といわれる症状がおきます。さらに重くなると、それが全身に広がって、てんかんと間違えるような症状が現れます。

 

また、情緒不安定や不安などの精神症状も伴います。

 

治療

ビタミンD剤やカルシウム剤を使用し、薬剤はホルモンの代わりに一生使用する必要があります。

 

甲状腺ホルモンと副甲状腺ホルモン

甲状腺はのどぼとけのすぐ下にあり、副甲状腺は甲状腺の裏側にあります。
副甲状腺は甲状腺より小さな器官で、ホルモンを分泌する内分泌腺のうち、
甲状腺は甲状腺ホルモンを分泌し、副甲状腺は副甲状腺ホルモンを分泌します。

 

甲状腺ホルモンには体の新陳代謝を刺激する役目があり、
副甲状腺ホルモンにはカルシウム代謝を促進する役目があります。


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