躁うつ病には単極型・初老期・老年期・更年期・仮面・双極型がある症状と治療法

内因性精神障害

遺伝的要因や性格的な要因が関係している躁うつ病ですが、うつ状態だけが繰り返す単極型うつ病、そう状態だけが繰り返す単極型躁病、うつ状態とそう状態が繰り返しおこる双極型躁うつ病、几帳面で責任感の強い人に起こる初老期うつ病、心理的な負担や脳血管が原因で起きる老年期うつ病、ホルモンの変化で身体的な不調でおきる更年期うつ病、身体的な症状が多く出る仮面うつ病があり症状と治療法です。

遺伝的要因や性格的な要因が関係している躁うつ病

遺伝的要因や性格的な要因が関係している躁うつ病

受診科

精神科

 

概要

躁うつ病になる原因は、はっきりした原因はわかっていませんが、遺伝的要因や性格的な要因が関係していると言われています。

 

症状

周りの人間から見てもわかるほど、気分がとても高揚するのがそう状態で、逆にひどく落ち込むのがうつ状態です。躁うつ病は、このそう状態とうつ状態が現れる病気ですが、その現れ方によって種類があります。

 

うつ状態だけが現れるものを単極型うつ病と言い、そう状態だけが現れるものを単極型躁病といいます。うつとそうの状態が交互に現れるのが双極型躁うつ病といいます。

 

治療

抗うつ薬や抗そう薬などの薬物治療が中心です。

 

うつ状態だけが繰り返す単極型うつ病

症状

うつ状態だけが繰り返すもので、躁うつ病で一番多い種類です。
うつ状態は、なぜか悲しくて、不安感や虚しさなどがあり、そのような憂うつから始まって、絶望感や悲嘆などがおきてきて、日常生活での活動も億劫になってきます。

 

さらに、自分を責めたり、ひどい場合には自殺までに及ぶことがありますが、こういったうつ状態は、一度起きると数か月位続きます。

 

気分の落ち込みなどは健康な人にも起きますが、うつ病の場合には、気分の落ち込みの苦痛の程度がひどいもので、精神的な落ち込みは身体面にも及んで、朝早く目覚めてしまうとか、食欲不振、便秘などの自律神経症状が起きてきます。

 

また、症状が午前中、特に朝に重く、午後から夕方にになるにつれ軽くなるという、1日のうちで症状が変化するのも躁うつ病の特徴です。

 

治療

抗うつ薬によって、うつ状態の期間を短くする治療が中心で、
副作用が少ないSSRIやSNRIがよく用いられています。

 

これらの薬剤の効果は、徐々に現れてきますが、それでも効果がない場合や、自殺の恐れがある場合は、電気ショック療法で治療します。重症出ない場合には通院で済みます。

 

そう状態だけが繰り返す単極型躁病

症状

そう状態だけが現れ、単極型うつ病や双極型躁うつ病より発症率は低いもので、
そう状態は、気分が高揚して意欲が高まり、何でも思う通りになるような気がしてきます。

 

アイデアも浮かんできて、それを実現させようという意欲が出てきて、睡眠不足でも構わないほどですが、他人や家族から見ると、どうも飛躍が大きく、実情にそぐわないように見えます。

 

治療

主に炭酸リチウムが用いられますが、このほかに抗精神病薬も併用します。
家族への影響が大きいことから入院する場合もあります。

 

うつ状態とそう状態が繰り返しおこる双極型躁うつ病

症状

ある時期には気分が高揚するそう状態になり、ある時期には気分が落ち込むうつ状態がおきるものです。

 

最初からそう状態とうつ状態が交互に現れるものと、うつ状態だけが何回か現れてから、今度はそう状態が現れるもの、逆にそう状態が何回かあってから、うつ状態などが現れるものなど、いくつかの種類があります。

 

治療

そう状態のときは、炭酸リチウムと抗精神病薬を使用して、精神を鎮静化し、うつ状態のときは抗うつ薬を使用します。

 

几帳面で責任感の強い人に起こる初老期うつ病

概要

40歳代から60代の初老期に初めて発生する単極型うつ病の一種です。
原因がはっきりした原因はわからないものの老化による身体的な不調や職場などの社会的環境の変化がきっかけになっておきると考えられているのが普通のうつ病と違うところです。

 

また、性格的には几帳面で責任感の強い人が、状況の変化にもかかわらず、それまでのペースを維持しようとすることで起きることも多い病気です。

 

症状

うつ状態でも特に不安、焦燥、苦悶がひどくてじっとしていられず、部屋を歩き回ったり、ときには攻撃的となることもあり、ひどい場合には衝動的に自殺を企てたりします。

 

治療

抗うつ薬を使用しますが、不安や焦燥感が強い場合は、抗精神薬も使用します。

 

心理的な負担や脳血管が原因で起きる老年期うつ病

概要

60歳以上の老年期の人に起きるうつ病ですが、発症のきっかけは心理的な負担や脳血管などの身体的な病気などが関係すると考えられています。

 

症状

初老期うつ病とよく似たもので、不安やイライラ、苦悶が強い場合が多い病気です。
また被害妄想が強くなり、他人とトラブルをおこすことも多くなってきます。

 

また、精神活動や行動が抑制されるため、一見ボケが始まったようにみえることもあり、
これを仮性認知症といいますが、うつ病なら、治りますし、本当の老年認知症とは違うものです。

 

治療

入院する場合が多い病気で、抗うつ薬などの薬物療法が中心となります。

 

ホルモンの変化で身体的な不調でおきる更年期うつ病

概要

更年期うつ病の原因は、女性の閉経期に伴って、性機能に関係するホルモンの変化が起きたり、更年期障害で身体的な不調がおきることと考えられています。

 

症状

閉経期にだけ、うつ状態が現れ、症状が短い期間現れるのを繰り返し、
そのうち、うつ状態が長期間になることもあるので注意が必要です。

 

治療

抗うつ薬を使用します。

 

身体的な症状が多く出る仮面うつ病

概要

仮面うつ病は、初老期、老年期、更年期に多くみられるものです。

 

症状

うつ病であるものの、うつ病の症状そのものが比較的軽くて、身体的な症状が多く出るのが特徴で、悲壮感や絶望感などが伴いことが多く、内科や外科などを受診して、違う病気と診断されることが多いほどです。

 

身体的な頭痛、腹痛、腰痛などの各種の痛みのほか、めまい、不眠、食欲不振、倦怠感、便秘、動悸と様々です。

 

治療

基本的にはうつ病と同じ治療をし、抗うつ薬などを使用します。


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