筋萎縮性側索硬化症・進行性球麻痺・筋萎縮症・精神遅滞の症状と治療法

筋委縮症と麻痺

神経に障害がおきる筋萎縮性側索硬化症、筋肉を収縮させる神経に障害がおきる進行性球麻痺、遺伝で末梢運動神経や知覚神経に変性が起きる神経性進行性筋萎縮症、原因がある原因がわからないものに分かれる精神遅滞の症状と治療法です。

神経に障害がおきる筋萎縮性側索硬化症

神経に障害がおきる筋萎縮性側索硬化症

 

受診科

神経内科・神経科・小児科

 

原因

筋萎縮性側索硬化症は、大脳皮質から脊髄までの神経と、脊髄から筋肉を収縮させる神経の両方に障害がおきる病気で、主に男性に発症します。原因は不明ですが、数年後に死亡する率が高い病気です。

 

症状

手先の筋力と筋肉の萎縮が現れ、やがては手が動かなくなる麻痺が始まって、腕や肩、さらには下半身まで麻痺が及びます。

 

病気が延髄に及ぶと舌や喉の動きが悪くなり、言語障害や食事が上手くできなくなります。進行すると、運動麻痺が進み寝たきりになります。

 

治療

決め手となるものがないので、神経に活力を与える薬を用いたりして病気の進行を抑えます。

 

筋肉を収縮させる神経に障害がおきる進行性球麻痺

原因

進行性球麻痺は、延髄からの筋肉を収縮させる神経に障害がおき、喉に影響するものですが、原因はわかっていません。進行が早いため、数年で死亡することがあります。

 

症状

舌が震えるようになって、話しにくくなったり、食べにくくなったりし、肺炎を合併することもあります。進行すると、筋移植性側索硬化症に移行したり、脊髄性進行性筋萎縮症を合併することもあります。

 

治療

完治できるような治療法がないため、ビタミン剤やホルモン剤などを投与します。

 

遺伝で末梢運動神経や知覚神経に変性が起きる神経性進行性筋萎縮症

原因

神経性進行性筋萎縮症は、遺伝で末梢運動神経や知覚神経に変性が起きる疾患で、男女ともに発病しますが、この病気で生命にかかわることはありません。

 

症状

主なものは筋肉の萎縮で10歳代から発病しますが、進行そのものは遅いものです。
膝の上から下までが鳥のように細くなり冷たくなってきて、足の変形や知覚麻痺がおきてきます。進行すると、腕にも萎縮がおきたり、運動失調がある場合もあります。

 

基本的に運動機能は保たれるので、装具をつけて日常生活が送れます。

 

治療

特に治療法はありませんが、足の変形に関しては、整形外科的な処置が必要になります。

 

原因がある原因がわからないものに分かれる精神遅滞

原因

精神遅滞は、原因があるものと、原因がわからないものに分かれます。

  • 血液型不適合やダウン症候群などの染色体異常
  • フェニルケトン尿症などの先天性代謝異常やクレチン症などの先天性内分泌異常
  • 妊娠中や出生後の感染症や中毒
  • 分娩時や出生後の外傷

様々な原因がありますが、どちらかというと、原因がわかっている精神遅滞のほうが、障害の程度が重いものが多いようです。

 

症状

18歳までには知能の低下が現れます。言葉を話す時期が遅れたり、性格の異常がある場合もあります。症状は精神面だけではなく、身体的にも現れてきて、乳児のときには首がなかなか座らなかったり、体型のバランスが悪くなったりします。

 

また、原因となる疾患の影響が現れる場合が多く、骨格や皮膚あるいは器官に奇形があったり、白内障などの障害、運動障害やてんかんがおきたりもします。

 

治療

先天性の代謝異常や内分泌異常は出生後、早めに治療を始めれば、知能低下を防げます。
長期間にわたって薬剤を使用する必要がありますが、歩行障害ならリハビリテーションをします。


スポンサーリンク