脊髄癆・多発性神経炎・ギランバレー症候群・視束脊髄炎の症状と治療法

原因がわからない脊髄の病気

脊髄の神経に障害がおきる脊髄癆、手足の末梢神経がダメージを受ける多発性神経炎、原因がわからないギランバレー症候群(急性多発性神経炎)、視神経と多発性硬化症の一種である視束脊髄炎の症状と治療法です。

脊髄の神経に障害がおきる脊髄癆

脊髄癆・多発性神経炎・ギランバレー症候群・視束脊髄炎

 

受診科

神経内科・内科

 

原因

脊髄癆は梅毒スピロヘータが原因で脊髄の神経に障害がおきる脊髄梅毒です。
感染してから5年〜10年以上たって、脳や脊髄の中枢神経がスピロヘータに侵されて発症し、
神経症状や精神症状が現れます。

 

症状

神経痛のように手足がしびれて激しい痛みがあります。
胸が締め付けられるような感じがして、瞳孔が反応しなくなり、尿や便を失禁します。

 

その後、膀胱障害や性機能障害、さらには足の関節の変形がおきます。
歩行中よろけたり、暗いところでは歩行できなくなります。
症状が悪化すると、髄膜炎になります。

 

治療

症状の経過をみながら、ペニシリンを何度も投与します。
梅毒感染の初期に治療するのが大事です。

 

手足の末梢神経がダメージを受ける多発性神経炎

原因

多発性神経炎は、炎症やアレルギー薬物中毒などが原因となり、末梢神経がダメージを受けます。水疱瘡やはしかのように、皮膚に発疹が出来る病気や急性肝炎、インフルエンザ、おたふくかぜなどをした後に発症したり、予防注射や種痘接種の後にみられることもあります。

 

原因となる病気がなくても、急に多発性神経炎が発病する場合は、神経アレルギーによるものだと考えられています。

 

症状

四肢の痛みやしびれ、または麻痺が中心となり、知覚症状が出ても軽いものです。
しかし、身体の左右の同じ部位に神経症状が起きて、手足の末端は痛みやしびれを感じて、
歩行や筆記に障害がおきてきます。

 

さらに、手足の末端から、身体の中心に向かって神経症状が進行していきます。
末梢神経障害は、この多発性神経炎になることが多いのです。

 

治療

他の病気が原因となっているなら、その病気の治療をします。
麻痺にはマッサージやリハビリテーション、理学療法が行われます。

 

ギランバレー症候群(急性多発性神経炎)

原因

原因はよくわかっていません。

 

症状

風邪の症状や下痢の後、手足の左右同じところにしびれが出て、脱力や筋力の低下、
感覚が鈍くなるなどの症状が出て歩行困難もおきます。両側の顔面神経麻痺もでます。

 

治療

発病後、2〜3週間でピークに達しますが、少しずつ自然に回復するので、対症療法を行い、血漿交換や免疫グロブリンの投与をして回復を促進させます。

 

呼吸器感染症の併発が要注意で、感染を起こした場合は、抗生物質の投与や気管切開術などをします。筋力低下などの後遺症が残る場合があります。

 

視神経と多発性硬化症の一種である視束脊髄炎

原因

中枢神経の視束という視神経と、髄に生じる多発性硬化症の一種ですが、原因はよくわかっていません。

 

症状

最初に頭痛、喉や目、背中の痛みがあり、左右の視力が大幅に落ちます。
それと、ほぼ同時に下半身まひ、排尿困難、失禁などの脊髄症状がでます。

 

治療

初期は安静にして、ステロイド剤やビタミン剤が投与され、回復期にはリハビリテーションが行われます。


スポンサーリンク