痔ろう・裂肛・内痔核・外痔核・肛門周囲膿瘍の症状と治療

痔の病気

肛門周囲が化膿し膿が溜まる肛門周囲膿瘍、膿の出口にできるトンネル痔ろう(あな痔)、肛門の粘膜が切れる裂肛(切れ痔)、肛門の内側にいぼのような腫瘤ができる内痔核、肛門部がうっ血する外痔核の症状と治療法です。

肛門周囲が化膿し膿が溜まる肛門周囲膿瘍

肛門周囲が化膿し膿が溜まる肛門周囲膿瘍

 

受診科

外科・肛門科

 

原因

肛門の小さなくぼみに細菌が感染すると肛門周囲炎がおきますが、この炎症がひどくなって、肛門周囲が化膿し、膿が溜まるのが肛門周囲膿瘍です。化膿部分が破れて膿が出ると痔ろうになります。

 

症状

最初は痒みと軽い痛みがある程度ですが、炎症が強くなるにつれて痛みが強くなり発熱します。

 

治療

薬物療法が有効なのは症状が軽いうちだけです。一般的には排膿手術が必要です。

 

膿の出口にできるトンネル痔ろう(あな痔)

原因

痔ろうは、肛門周囲膿瘍が悪化しておこるもので、肛門の皮下組織に溜まっていた膿が外に出て行くと、そのあとにトンネルのような管が形成されます。放置すると、癌化する場合もあります。

 

症状

通常は自覚症状はありませんが、膿の出口である瘻孔が閉じて、炎症が再発すると発熱や痛みが現れます。

 

治療

完治するには手術が必要です。

 

肛門の粘膜が切れる裂肛(切れ痔)

原因

裂孔は排便時にいきんだり、下痢で何度も排便することが原因で、肛門の粘膜が切れるものです。特に肛門の粘膜は柔軟性があまりなく、この部分が切れることが多いのです。

 

症状

排便時に激しい痛みと出血がおき、痛みは排便後、数十分から1時間ほど続きます。

 

治療

座薬や軟膏を使用し、切れただけなら簡単な手術で治ります。

 

肛門の内側にいぼのような腫瘤ができる内痔核

原因

内痔核は、静脈がうっ血して、肛門の内側にいぼのような腫瘤ができるものです。
直腸と肛門の境目には歯状線があり、これより上にある直腸は痛みを感じませんが、
下に位置する肛門は痛みをかんじます。内痔核の腫瘤は歯状線より上にできるのです。

 

内痔核の原因としては、便秘、下痢で肛門に強い負担を与えることです。
また、立ったままや座ったままで、下半身の血行が悪くなることや、暴飲暴食、妊娠、出産なども原因となります。

 

症状

排便時に痛みを伴わない出血があり、進行すると、排便時に痔核が肛門の外に脱出しますが、排便が済むと中に戻ります。さらに、悪化すると、痔核は脱出したままになり、痛みも強くなります。

 

内痔核と共に、肛門の上皮まで外に出てくるものを脱肛といい、出血したり残便感や不快感があります。

 

治療

軟膏や座薬、内服薬などの薬物療法のほかに、注射や手術などの外科的療法がありますが、
脱肛になった場合には手術をしないと治りません。

 

肛門部がうっ血する外痔核

原因

外痔核は、痔核が肛門の歯状線より下にできるものです。便秘でいきんだり、下痢で何度も排便したり、下半身を冷やしたりすることで、肛門部がうっ血しておこります。

 

症状

大きさが様々なイボのような痔核が、一つまたは複数できますが、痔核が出来るときに、激しい痛みが現れます。

 

治療

座薬、軟膏、内服薬などの薬物療法を行いますが、手術で痔核を切開して血を排除する方法もあります。


スポンサーリンク