偽膜性腸炎・放射線腸炎・伝染性下痢症・吸収不良症候群の症状と治療

腸炎の症状と治療法

ジフテリアのような偽膜が出来る偽膜性腸炎、放射線治療を受けておきる放射線腸炎、ウィルスによって胃腸に炎症がおきる伝染性下痢症、各種栄養素の吸収が阻害されて栄養失調になる吸収不良症候群の症状と治療法です。

ジフテリアのような偽膜が出来る偽膜性腸炎

ジフテリアのような偽膜が出来る偽膜性腸炎

 

受診科

内科・消化器内科・外科

 

偽膜性腸炎は胃や腸にジフテリアにかかったときのような偽膜が出来る腸炎です。

 

原因

水毒中毒や重い感染症、あるいは抗生物質の服用などが原因でおこります。

 

症状

突然、吐き気、嘔吐、腹痛がおこり、続いてひどい下痢や発熱が現れます。
放置すると、ショック状態になることもあります。

 

治療

抗生物質の服用していれば、それを中止します。
輸血や輸液をしてステロイド剤などを投与します。

 

放射線治療を受けておきる放射線腸炎

 

放射線腸炎は、腹部や骨盤内の病気で、放射線治療を受けたことによっておこる腸炎で、
特に直腸や小腸に発症します。

 

原因

照射した放射線の量や個人差によって、病変の軽重が違ってきますが、
よく見られるのは子宮がんの治療後です。

 

症状

早いものでは、放射線腸炎から、だいたい2週間ほどでして下血が始まります。
それ以外では、2か月過ぎから、約1年間の間に発症します。
遅くなって現れる場合は、直腸炎、結腸炎、小腸炎などのために、便が細くなり、便秘や下血、下痢や貧血なども現れます。

 

治療

ステロイド剤などの薬物療法を行いますが、病気そのものに有効な治療法はありません。
症状によっては手術が必要です。

 

ウィルスによって胃腸に炎症がおきる伝染性下痢症

原因

伝染性下痢症は、特定できないウィルスによって胃腸に炎症がおきるものです。
潜伏期間は1週間ほどで、冬から春にかけて流行する届け出伝染病のひとつです。

 

症状

食欲不振、腹鳴、吐き気、嘔吐などがおき、1日に数回から10回近くのきわめて強い悪臭のある下痢をします。

 

治療

安静にして絶食して、症状が落ち着いてくれば、おかゆなどの柔らかいものを食べます。
脱水症状が現れた場合は、入院して輸液などをします。

 

各種栄養素の吸収が阻害されて栄養失調になる吸収不良症候群

 

吸収不良症候群は、脂肪を中心としたビタミン、糖質、たんぱく質などの各種栄養素、
あるいは一つだけの栄養素の吸収が阻害されて栄養失調になるものです。

 

原因

胃や腸を切除して消化管が短くなったことや、肝臓や胆道、すい臓などの病気でもおこります。

 

症状

吸収されない栄養素にもよりますが、下痢、黄色っぽい便で酸っぱい臭いがする脂肪便、
脱水症状がなどが現れます。また、貧血や体重減少、倦怠感などがあります。

 

治療

原因となる病気があれば、その治療をします。
胃や腸を切除した人は、食事の回数を増やして摂取する栄養素が増えるようにして、
ビタミン剤や栄養剤で補給します。


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