腹痛は痛む場所と症状で病名が違う|それは軽い病気?重い病気?

腹痛は痛む場所と症状

上腹部中央が痛む、右上腹部が痛む、みぞおちが痛む、左上腹部が痛む、左右どちらかの上腹部が痛む、下腹部全体が痛む、左右の下腹部が痛む、腹部全体が痛む、痛む場所がはっきりわからないなどの腹痛はその痛む場所と症状によって病名が違ってきます。

腹痛がする場所はどこ?

上腹部中央(みぞおち)が痛む

疑われる病気 主な症状
食道炎 食道炎(しょくどうえん)は、胸やけがして、食物を飲み込むときに痛みがある
食道裂孔ヘルニア 食道裂孔ヘルニア(しょくどうれっこうへるにあ)は、胸やけ、胸痛、げっぷ、食物が飲み込みにくいなどの症状が現れ、症状は食後に起こりやすく、起き上がって歩くと症状が軽減する。
食道潰瘍 食道潰瘍(しょくどうかいよう)は、食べたときに感じるつかえ、胸やけ、差し込むような痛み、嘔吐などの症状を訴え、服用したカプセル薬剤がのどに留まり、食道の粘膜を痛めておこることが多い
急性胃炎
慢性胃炎
急性胃炎では、みぞおちの痛み、吐き気、嘔吐などの症状が現れ、症状の現れ方が急激。慢性胃炎は上腹部のもたれや胃の不快感などがあり、空腹時や食後に胃痛や吐き気がある
胃潰瘍 胃潰瘍(いかいよう)は、みぞおちの痛み、吐血や下血、胸やけ、げっぷなどが見られ、腹痛は食後におこりやすい
十二指腸潰瘍 十二指腸潰瘍は、みぞおちの痛み、胸やけ、出血、吐き気などで、痛みや空腹時や夜間に起こることが多い
急性膵炎
慢性膵炎
膵炎(すいえん)は、上腹部や背中に強い痛みがおこり、痛みのために、身体を折り曲げるような姿勢をとり、アルコールを飲み過ぎたときに起こるのは急性膵炎で、3か月以上鈍痛が続く場合は慢性膵炎
虫垂炎 虫垂炎(ちゅうすいえん)の初期症状の痛みは、みぞおちやへその部分から始まり、しだいに右下腹部へと移動していくのが特徴。吐き気、嘔吐、発熱を伴う
胃がん 胃がんは、胃痛、上腹部の鈍痛、胸やけ、食欲不振、体重減少などが見られ、特有の自覚症状はなく、早期では症状が出ないことも多い
胆石症 胆石症(たんせきしょう)は、みぞおちから上腹部にかけて突然激しい痛みが起き、痛みは背中から肩まで広がり、吐き気、寒気、震えを伴うこともあり、脂肪の多い食事をした後に起こりやすい
肝臓癌 肝臓癌(かんぞうがん)は、だるさ、腹痛、衰弱、黄疸、貧血、吐き気、嘔吐などがみられるが、かなり進行するまで、症状はでない

 

右上腹部が痛む

疑われる病気 主な症状
急性ウィルス肝炎 急性ウィルス肝炎は、全身倦怠感、食欲不振、吐き気、発熱、右上腹部の鈍痛、膨満感などが、1〜2週間続いたのち、黄疸が現れる
アルコール性肝炎 アルコール性肝炎は、全身倦怠感、みぞおちの当たりの不快感、吐き気、食欲不振、体重減少などがみられる
肝硬変 肝硬変(かんこうへん)は、倦怠感や微熱、食欲不振、腹痛などがおき、指先や指の付け根に紅斑が現れたり、首、肩、胸などにクモの手足のような毛細血管の広がりがおきる
胆のう炎 胆のう炎(たんのうえん)は、寒気、ふるえ、吐き気、発熱、みぞおちや、右上腹部の痛みなどの症状が現れ、急性症状が消えた後でも、同様の症状を繰り返し起きてきて慢性になることもある

 

左上腹部が痛む

疑われる病気 主な症状
すい臓がん すい臓がんは、腹痛、黄疸、腰痛、全身倦怠感、嘔吐、体重減少などがみられる
直腸がん 直腸がんは、黒色便あるいは鮮血が付着した便、下痢と便秘を繰り返す、便通が不規則になり、腹痛、発熱などだが、早期ではまったく症状がない

 

左右どちらかの上腹部が痛む

疑われる病気 主な症状
腎結石 腎結石(じんけっせき)は、脇腹、背中、腰に強い痛みを感じ、血尿、冷や汗、嘔吐などを伴うこともある
尿道結石 尿道結石(にょうどうけっせき)は、脇腹、腹、下腹部などに強い痛みを感じ、血尿、頻尿、残尿感などが現れることもある

 

下腹部全体が痛む

疑われる病気 主な症状
膀胱炎 膀胱炎(ぼうこうえん)は、排尿時の痛み、頻尿、尿が濁る特徴的な症状があり、排尿痛は排尿が終わるころに強い
尿道結石 尿道結石(にょうどうけっせき)は、脇腹、腹、下腹部などに突発的な痛み、血尿、冷や汗、嘔吐がある
卵巣炎
卵管炎
卵巣炎(らんそうえん)は、発熱、下腹部の激しい痛み、おりものの増加、吐き気などがみられ、片側の場合は左右どちらかの下腹部が痛む
骨盤腹膜炎 骨盤腹膜炎(こつばんふくまくえん)は、女性特有の病気で、下腹部の激痛、発熱、吐き気、嘔吐などの症状がおき、虫垂炎や開腹手術に続発することが多い
子宮内膜症 子宮内膜症(しきゅうないまくしょう)は、月経開始数日前から月経2日目にわたる月経痛(下腹部痛、腰痛など)があり、痛みのピークは月経1日目となる
月経困難症 月経困難症(げっけいこんなんしょう)は、下腹部痛、腰痛、頭痛、吐き気、イライラなど月経に伴う症状が強く日常生活が困難になる
子宮外妊娠 子宮外妊娠(しきゅうないにんしん)は、月経が遅れ、急な下腹部痛と少量の出血が典型的な症状がある

 

右下腹部が痛む

疑われる病気 主な症状
虫垂炎 虫垂炎(ちゅうすいえん)の初期症状の痛みは、みぞおちやへその部分から始まり、しだいに右下腹部へと移動していくのが特徴。吐き気、嘔吐、発熱を伴う
移動盲腸 移動盲腸(いどうもうちょう)は、右下腹部の鈍痛や便秘などがみられ、発熱することもある

 

左下腹部が痛む

疑われる病気 主な症状
過敏性腸症候群 過敏性腸症候群(かびんせいちょうしょうこうぐん)は、下痢と便秘を繰り返し、腹痛や腹部不快感、腹鳴などを伴い、頭痛、めまい、動悸、疲労感などの自律神経失調症状や精神神経症状も見られる
腸炎 腸炎(ちょうえん)は、腹痛、下痢、吐き気、発熱などの症状が現れ、差し込む痛みや鈍痛をへそのあたりに感じることが多い
潰瘍性大腸炎 潰瘍性大腸炎(かいようせいだいちょうえん)は、血便、腹痛、渋り腹などで、1日に何度も便意がおき、重症になると、発熱や頻脈、貧血、体重減少などを伴うこともある

 

腹部全体が痛む

疑われる病気 主な症状
急性腹膜炎 急性腹膜炎(きゅうせいふくまくえん)は、激しい腹痛、冷や汗、吐き気、嘔吐がみられる。
腸閉塞
イレウス
腸閉塞(ちょうへいそく)は、突然あるいはだんだん激しくなる腹痛、嘔吐、排便・排ガスの停止が大きな症状で、脱水症状やショック症状がみられることもある
急性腸炎 急性腸炎(きゅうせいちょうえん)は、腹痛、下痢、嘔吐などがみられ、腹痛は差し込むような痛みや鈍痛をへその周りに感じることが多く発熱を伴う
慢性腹膜炎 慢性腹膜炎(まんせいふくまくえん)は、慢性疾患にともなって腹膜炎が徐々に進行したもので、微熱や腹痛、腹部膨満感、吐き気や衰弱が現れる。

 

腹痛があるものの痛む部位がはっきりしない

疑われる病気 主な症状
かぜ症候群 風邪症候群は発熱・悪寒・くしゃみ・鼻水・鼻つまり・声枯れ・咳・痰・頭痛・だるさの他、下痢や腹痛を伴うこともある
慢性便秘 慢性便秘(まんせいべんぴ)は、便秘に伴って、腹痛、腹部膨満感、ガス貯留などがみられ、便通があれば腹痛は治まる

 

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